図鑑を考える
大量の標本を同定していると、図鑑に対して使い図らいなんて考えて、解体して使いやすいように作り直すまで至ってしまってる。図鑑の無いグループなんか、文献集めて、図を切り貼りして、自分で作るなんて作業も。今年の冬は、ハチ、甲虫、底生動物の昆虫以外あたりを企んでいる。
仕事柄、図鑑に対して考えることが多いので、こうすれば良くなるのになど、勝手に書き連ねていくことにする。将来、自分でも作ってみたい、、、、特にマイナーなグループで、、、数十年後ぐらいに。
テーマは2つ。
1つ目は「使い勝手」
以前にもブログに書いたけど
1、図版には和名を入れて。分布もあると同定ミスかどうか判断しやすいので助かる。
2、本の大きさをデカくしない。机に、標本、顕微鏡、図鑑を置いて作業するのに、図鑑がデカすぎるとジャマだし、ページを開いてても閉じてしまう。
3、識別点が分かりやすいような写真を入れて。拡大するとか、別方向からとか。
4、生態写真だけだと標本と比べにくい。必ず標本を一定方向から撮影したものを入れて。
まだ他にもいろいろあるので、それはまた後ほど
今の図鑑の作り方を見ると、生産者側の都合を優先して一方的に市場に出すような発想のような気がする。こういうのをマーケティング用語でプロダクト・アウトというそうなのだが、物が無い時代にはそれでも売れたそうで、時代遅れ。戦後からしばらくの話だそうです。今の図鑑の供給状況から見たら、そういうのでも売れるんですけど、ほんとにいいものが出来るかといったら疑問。
今の民間の事業の進め方の主流は、「市場のニーズを捉えて、そこから作っていく」というマーケット・インと呼ばれる手法だそうです。図鑑作りにも、取り入れられないものだろうか、、、、。
2つ目のテーマは「事業として成り立たせる」
出版社が潰れたり、分類群によっては古い図鑑しかなく入手困難。だんだん先細りになるんじゃないかと思う今日この頃。ネット上の図鑑が出てきているものの、専門家が関っていない場合は間違いがあるらしい。ニーズはあるんだけど、生産できない。
「生産できない」のは、事業として成り立たない、つまり、お金にならないというのが原因じゃなかろうか。会社が潰れたら、作れないはな。
お金に関してもう一つ。原稿を書く人には対価がほとんど払われない。ボランティアが悪いとは思わないが、出版社が潰れるのと同じように、負担が大きいと、原稿を書く人自体が少なくなるんじゃないだろうか。また、1つ目のテーマにもいろいろ注文つけたけど、ボランティアでそこまで快く引き受ける人は少ないだろう。締め切り守ってくれない人が多いのも、、、。
良い物を作るのにはお金が必要で、その資金をどうするかというのを考える必要があると思う。
といっても、そんな簡単じゃないだろうけど。
解決策、、、、
単価を上げる、、、、もう十分高い。これは難しいだろうな。
原価を下げる、在庫を持たないようにする、それと客層を広げる。
そこらへんをぼちぼち考えてみたいと思う。
協力者、会社募集。しばらくは架空の話だから、不真面目でかまいませんので。