パブコメ 続き

博士号取得者の産業界等での活躍促進(「科学技術に関する基本政策について」に対する答申(案)より)
博士号取得者は、社会の多様な場で、高度な知識基盤社会をリードし、支え、活躍すべき存在であるとの観点から、大学院教育の改革や人材育成面での産学連携を推進し、社会の多様な場で活躍しうる博士号取得者の育成を強化する。産業界においては、優れた博士号取得者に対し、弾力的で一律でない処遇を積極的に講じることが求められる。また、学生はもとより、大学、産業界等が、博士号取得者はアカデミックな研究職のみならず社会の多様な場で活躍することが望ましいとの共通認識を持つことを期待する。なお、各大学が、博士課程修了者の進路等の情報を把握し自らの教育の質の向上に活かすことが極めて重要であるため、各大学がこれら情報の継続的な把握に努めることが望まれる。


博士号取得者の社会での受け取られ方は少々キビシイものがあります。やはり少数派ですから。グチは置いといて。
 
1)博士号取得者を活用メリット。
 博士号取得者は、専門的、広範囲な知識を必要とし、これをもとに論理的に問題を解決する能力があります。環境問題のような複雑な問題や、ナノテクノロジー、情報通信などの高度な専門知識・技術を必要とする分野では、博士号取得者のような人物が中心になって業務を遂行するほうがよりよい結果を導き出せると期待できます。

2)博士号取得者の産業界等での活躍促進策
 
 2.1、有資格者が産業界で活躍するには、その資格により仕事上有利になる事が不可欠です。弁護士のように資格を持つことが条件だったり、技術士のように仕事をとりやすくなり賃金が高くなるとか。博士号にもそういう有利な状況を作れば、会社が博士取得者を雇用しやすくなり、博士が業務の中心的な立場をとりやすくなり、結果的に業務の質が向上することが期待できるはず。また博士号の立場が改善されれば、大学院で勉強して高度な能力を身につける人や、身につけた能力を武器に起業する博士が増え、産業界において、より科学技術がより活用されるでしょう。まずは公的機関が民間に発注する業務で、博士号取得者が有利になるようにしてみてはいかがでしょう。「有資格者として認める」、「技師Aランクとして扱う」など、検討お願いいたします。

 2.2、博士取得者が社会で活躍する道として、起業という選択もこれから重要になるはず。しかし、博士号を取得するにあたって奨学金という数百万の借金を背負うというハンデを負い、起業というリスクをとるのは困難です。大学発のベンチャーを支援する制度はありますが、社会に出た後に独立を検討している博士にも経済的な援助を拡大すれば、より多くの博士が起業という選択をとることが出来ると思います。

3)産業界等で活躍する人材育成
 博士の能力は一般に高いと思いますが、社会で生き抜く力は不足しているようにおもいます。話術、ビジネスマナー、営業や経営に関する感覚なども養う必要があります。
 また、公的機関の研究者になるつもりだったけど、ポストが無く、あきらめて民間企業に就職する道を選ぶ人も多いようです。そういう方向転換をした場合、これから入っていく業界について下調べしたり、就職のために必要な能力をそなえる余裕もなく、金銭的な事情から急きょ就職せざるおえなくなることもあります。彼らが会社で活するためには、就職準備をサポートする必要もあるでしょう。